2019 千葉K社屋 改修工事

築26年の重量鉄骨造2階建て、延べ床面積約200m2のビルをK社が購入し、新社屋としてリノベーションする計画。
K社は、廃棄物処理に携わる企業であり、環境へ配慮したクリーンな廃棄物処理、再資源化に取り組んでいる。今回の計画は、そうした資源の再利用という観点から既存建築のリノベーションを行うことで、企業シンボルとしての社屋をイメージシンボルとしても活用することを選択した。
ここでは、既存の建築の残せる部分は積極的に残しながら、新規に計画する部分と相互に関係を生むような設計を行なっている。

既存建築の1階はピロティになっており、駐車場であった。ここを内部エントランスホールとして増床し、元々屋内水廻りのあった場所をそのままトイレとして、またその脇の応接室を会議室に改修している。
また、年に数度の大人数の会議にも対応できるようにと、会議室を仕切る建具は引き込まれるよう計画しており、エントランスホールに開かれる。
エントランスホールは来訪者との打ち合わせの他、今回の社屋移転を機に廃材の再利用という新規事業を立ち上げるのに伴い、ギャラリーとしても活用される。
水廻りの壁を覆う壁は、廃材の木片をK社の社員の方々が張られたもので、エントランスホールのアイキャッチとして印象的な表情をつくっている。

2階は、建築外周部に回廊を作るようにシナ合板による造作棚が立てられ、その内部は執務空間と社員の食事・休憩スペースがとなっている。執務空間と休憩スペースは、引き戸により開閉が可能であり、社内イベントなどで解放される。
造作棚は、回廊部に面して開かれていて、一部はキッチン、OA機器の設置スペース、ロッカールーム、打ち合わせ場所に割り当てられている。

既存建物写真