2020 ループ&ループ2 ループ&ループ2 戸建住宅 千葉県市原市に建つ夫婦と子ども二人が住む戸建て住宅。建主家族は、もともとハウスメーカーで建築を検討していたが、要望を叶えると延床面積50坪になってしまうことから、本計画がスタートした。 今回、要望を概ね叶えながら、床面積を37坪までダイエットすることに成功している。 今回の設計では、要望内容を一旦バラバラにして並列した後、再構成して空間化することを行っている。設計者の意図、コンセプトやデザインのためのデザインに頼らず、一見矛盾するかのように思われた要望の再構成のみで設計はまとめられ、これにより住み手にとっては理想的な、しかし一般的なプランニングからは掛け離れたヘンテコなプランが立ち上がった。 敷地は、南面接道のほぼ長方形で230m2ほどあり、乗用車4台分の駐車スペースを希望された。また、敷地南面に庭が欲しいこと、庭は囲って外部からの侵入ができないことを求められた。建主の要望による駐車場と庭の配置から、自動的にに建物ボリュームと建築位置が決まっている。 建物は、ほぼ総二階であり、箱型にすることで建物の表面積を抑えて減額につなげる効果を期待した。単純な形状を視覚的に回避するため、水平線を強調した庇を設け、この上下で外壁素材を変えることで、上部の家形の箱が浮いているように見せている。建物上部は、マットグレーのガルバリウム鋼板の瓦棒葺、下部は、窯業系の下地サイディングに塗装をしている。 1・勝手口は不要 2・玄関からリビングダイニングを通らず直接キッチンへ行ける 3・玄関からリビングダイニングを通らず直接和室(客間)へ行ける 4・リビングダイニングとキッチンは繋がっている 5・キッチンから1階の全てのリビングダイニング、和室、水廻りを見渡せる 6・洗濯物をリビングダイニングに干さない(できれば専用の部屋が欲しい ) 7・和室は、リビングダイニングと縁を切って独立した部屋とし、且つ開け放すとリビングダイニングと関係を結びたい 8・近隣に子供たちが騒がしくすることで迷惑をかけたくないので、家の真ん中に子供部屋を作りたい 9・階段は、空調効率を高めるため、リビング空間に設置しないで欲しい 10・水廻りは、リビングダイニングから直接つながらないでほしい 11・水廻りは、玄関近くに配置しないでほしい 12・水廻りは、キッチンとの機能動線を考慮してほしい 以上が建主からいただいた要望の幾らかである。これを実現するために、建物内部にリビングダイニングを入れ子にして周囲を回り廊下とし、これに付帯機能が接続するプランを考えた。入れ子になっているリビングダイニングから四方に開口を設けているため、建物内部で多様かつ複雑な動線が成立することになった。 1階の居室上部は居室、動線部上部もやはり動線という構成であるが、動線部の多くを二層吹き抜けとし、居室は機能用途に応じて天井高を変えているため、断面的にはスキップするような立体的な空間構成となっている。 所在地 / 千葉県市原市主要用途 / 専用住宅構造 / 木造構造設計 / 桑子建築設計事務所 桑子亮施工 / 田中兄弟工務所 井土覚写真 / Smart Running 小泉一斉
2020 ループ&ループ2
ループ&ループ2 戸建住宅
千葉県市原市に建つ夫婦と子ども二人が住む戸建て住宅。建主家族は、もともとハウスメーカーで建築を検討していたが、要望を叶えると延床面積50坪になってしまうことから、本計画がスタートした。 今回、要望を概ね叶えながら、床面積を37坪までダイエットすることに成功している。
今回の設計では、要望内容を一旦バラバラにして並列した後、再構成して空間化することを行っている。設計者の意図、コンセプトやデザインのためのデザインに頼らず、一見矛盾するかのように思われた要望の再構成のみで設計はまとめられ、これにより住み手にとっては理想的な、しかし一般的なプランニングからは掛け離れたヘンテコなプランが立ち上がった。
敷地は、南面接道のほぼ長方形で230m2ほどあり、乗用車4台分の駐車スペースを希望された。また、敷地南面に庭が欲しいこと、庭は囲って外部からの侵入ができないことを求められた。建主の要望による駐車場と庭の配置から、自動的にに建物ボリュームと建築位置が決まっている。
建物は、ほぼ総二階であり、箱型にすることで建物の表面積を抑えて減額につなげる効果を期待した。単純な形状を視覚的に回避するため、水平線を強調した庇を設け、この上下で外壁素材を変えることで、上部の家形の箱が浮いているように見せている。建物上部は、マットグレーのガルバリウム鋼板の瓦棒葺、下部は、窯業系の下地サイディングに塗装をしている。
1・勝手口は不要
2・玄関からリビングダイニングを通らず直接キッチンへ行ける
3・玄関からリビングダイニングを通らず直接和室(客間)へ行ける
4・リビングダイニングとキッチンは繋がっている
5・キッチンから1階の全てのリビングダイニング、和室、水廻りを見渡せる
6・洗濯物をリビングダイニングに干さない(できれば専用の部屋が欲しい )
7・和室は、リビングダイニングと縁を切って独立した部屋とし、且つ開け放すとリビングダイニングと関係を結びたい
8・近隣に子供たちが騒がしくすることで迷惑をかけたくないので、家の真ん中に子供部屋を作りたい
9・階段は、空調効率を高めるため、リビング空間に設置しないで欲しい
10・水廻りは、リビングダイニングから直接つながらないでほしい
11・水廻りは、玄関近くに配置しないでほしい
12・水廻りは、キッチンとの機能動線を考慮してほしい
以上が建主からいただいた要望の幾らかである。これを実現するために、建物内部にリビングダイニングを入れ子にして周囲を回り廊下とし、これに付帯機能が接続するプランを考えた。入れ子になっているリビングダイニングから四方に開口を設けているため、建物内部で多様かつ複雑な動線が成立することになった。
1階の居室上部は居室、動線部上部もやはり動線という構成であるが、動線部の多くを二層吹き抜けとし、居室は機能用途に応じて天井高を変えているため、断面的にはスキップするような立体的な空間構成となっている。
所在地 / 千葉県市原市
主要用途 / 専用住宅
構造 / 木造
構造設計 / 桑子建築設計事務所 桑子亮
施工 / 田中兄弟工務所 井土覚
写真 / Smart Running 小泉一斉