こんにちは。
前回のブログで、絵を描かれている作家の岡村ミユさんの個展と岡村さんの作品について触れました。
僕は最初岡村さんの絵を拝見した時、モチーフの捉え方の面白さに惹かれました。力強く抽象化された線が紙の上を大らかに走る様が楽しかったですし、同時に対象の中心性は、どこかイコンのような聖性を帯びてもいました。いつの頃からか、彼女がモチーフを感じ、見えたように「trace」している絵は、彼女自身を「trace」しているものだと思うようになりました。それは彼女自身の過去であり人生であり、思考であり感情や感性であって、また、彼女がイメージしている彼女自身でもあるように思います。それは、自身の何かを削りながら創作に変えるというのではなくて、彼女自身を「trace」して分身をつくってそれに魂を込めるような作業です。人形を作って魂を吹き込み、身代わりとする、という感覚にも近いかも知れません。見方を変えれば、それらは、作り手を護るシールドとしても機能し、つまりは「お守り」なんだと思うのです。