2022.08.19 『小田原文化財団 江之浦測候所』の『「時間」と「空間」の0(ゼロ)地点』

こんにちは。

8月6日、小雨がぱらつきそうな、それでも時折薄陽が射す曇天の日、僕は神奈川県小田原市にある『小田原文化財団 江之浦測候所』を訪れました。

『江之浦測候所』は、写真家であり、古美術商であり、現代アーティストでもある杉本博司さんがご自身で設立された小田原文化財団とともに2017年に一般公開した庭園です。相模湾を臨む、元々蜜柑畑であった山の斜面にギャラリー棟、屋外舞台、茶室などの建築の他、杉本氏ご自身のアート作品、古美術品などが配されたランドスケープであり、庭園の体裁をとっているものの総体として一つのアート作品のようでもあります。

僕は、『江之浦測候所』に展示されている多くの収蔵物に感銘を受けるとともに、『江之浦測候所』自体のアートのあり方そのものに衝撃を受けました。『江之浦測候所』については、多くの人たちがSNSなどでも発信、紹介されていますので、今回僕は、個人的な視点による『小田原文化財団 江之浦測候所』の読解を試みてみたいと思います。

キーワードは、「時間」と「空間」です。読解するに当たって杉本博司氏の写真作品である『劇場シリーズ』、古美術商でもあった杉本博司氏の『収集』を手がかりにして、『江之浦測候所』の『「時間」と「空間」の0(ゼロ)地点』を炙りだせれば良いなあと思っています。

続きを読む→